とうとう、我が13分隊から脱走者が出た。
脱走すると、官品横領罪になるので、見つかるまで探さないといけない。
結局、2ヶ月間彼は姿をくらましていた。
やはり鬼の3班長の班からだった。
彼は本当に鬼だった。というよりちょっとイカれていた。
甲板掃除で指摘事項があろうものなら、全班の伍長と甲板を呼んで
モデルガンでピーを撃つわけだ。
さすがにそれは、分隊長に知れることになったので、それをやらなくなったけど
それ以外でも、かなりひどかったなぁーーー。
他の班長は、締めるとこは締めてたけど、やさしかった。
話を戻そう。
G君と言う将棋が無茶苦茶強い子がいた。
彼は、最初我々と馴染む事がなかった。
ところが、佐世保の街に初めて繰り出したとき(初外出でした)
彼がおもちゃ屋の前で、立ち尽くしていたのです。
そのとき、彼はこう言いました。
「将棋がしたい。」と。。。
私は、班長に頼んで、部隊内にある将棋を貸し出してもらう事に成功。
それからの彼は、本当にいきいきしてました。
沖縄や鹿児島の人って、本当に同族意識が強くて、苦労したんですが
彼の場合は、将棋によって、周りと打ち解ける事が出来ました。
ほんと、ヒマさえあれば将棋してたような気がします。
ホントに。。。